昇華した愛

エントリの中に生田さんの名前を入れると、意図せずしてアクセス数が伸びてしまう。何だか申し訳が立たぬ。かと云ってキーワードリンクを弄ったりはしないのだけど。面倒臭いもん。

我はゴッホになる!〜愛を彫った男・棟方志功とその妻〜

少し長くなるが書き起こす。メモっておけば良かった。津軽弁はニュアンス。

チヤ 「版画と子供とどっちが大切なんです?」
志功 「…どっちもだ」
チヤ 「版画と私とどっちが大切なんです?」
志功 「……どっちもだ」
チヤ 「貴方は一人で彫っちょると思うてるんでしょ!私も彫っちょるんです!私も子供たちも彫っちょるんです!貴方は一人で棟方志功と思うてるかも知れませんが、私と子供たちも含めて棟方志功です!私も子供たちも棟方志功の生活を彫っちょるんです!」
志功 「ダァァァァ!お前は信仰心っちゅうもんを持っちょらん!」
チヤ 「私にだって宗教はあります!」
志功 「ありません!」
チヤ 「あります!」
志功 「ありません!」
チヤ 「私の宗教は、、、私の宗教は、、、棟方志功です!」

文字にするとイマイチ伝わらないだろうか。このシーンだけでも見て良かったと思う。志功の妻・チヤに対する気持ち、チヤの男としての志功に対する気持ちが良く分からん*1と思っていたが、この最後のシーンでそんなもんは全て吹っ飛んだ。好いた惚れたを超越していた。凄い物を見た気がする。このシーンのひとりさん*2と香椎さんの力に因るところも大きいのかも知れないが。
どうやら映画畑の監督が撮ったという映像はとても美しかった。ねぶたの熱い夏も、雪降り積もる厳しい冬も。さらに荒々しさと温かみを併せ持った郷里の人々。監督のご郷里でもある青森に対する想いが滲み出ている感じである。映画でも観てみたかったなあ。

*1:寧ろ、旦那としては大いに不満があったんだろう。余談だが、一瞬某落語家の元奥様を思い出してしまった。愛憎は表裏一体。上手く転べば宗教で、だめだと金髪豚野郎になっちゃうのかな。うん、こんな自分残念。

*2:全編を通して彼は熱演だった。