アフター・ファイブ

木曜日。久々にアフター・ファイブを獲得。奇跡だ。ということで絹織の熱病に浮かされて、箱根の山ならぬ宮益坂を登って、しちゃった。カゴっちゃった。

休演日明けの一発目、だからなのか恐ろしいまでにテンションが高揚していた。破滅へと向かう主人公に共鳴するかのように、昨日は舞台そのものが破滅に向かってただ突き進んでいた感じ。推進力という有り余るエネルギーをどこへどう放出すべきか判らぬまま、舞台から発散されていたような、上手く云えないけれど。連れ立った友人はどうも腑に落ちてはいなかったが、私の方は完全に共鳴の渦に呑まれてしまい、まあそれはそれで(楽しんだという点で)ラッキーだったかなと一夜明けて思える。

若い主役のお二人、特に八ツ橋かな。豆台風のような熱を帯びていた。良くも悪くも完全に周りが見えなくっていた感じがする。若旦那の方も、何と無く刀に憑かれてる感が薄い気がしていたのだが、今まで観た中では一番振り切れていた*1ように見えたもの。

そんな「カゴツルベ」という暴れ馬のロデオの中、かざまさんはそこに呑まれてなかったなあ。休演日明けでまだ身体が温まっていなかったのかとさえ思ってしまった。本当に安定したんだという気付き。まさに冷静と情熱のなんちゃらに居場所を見出だしたのかも知れない*2。やはりあのシーンが良くて、お市と結ばれてもあの人とは「好い人」の関係っていうのは裏設定としてはデフォルトでしょ?そうでしょ?

*1:でも、若旦那癖(色んな人の癖がミクスチャー状態)がある芝居が定着しないと良いなあとも思う。

*2:だからこそ、今、またもう一段高みへと昇って欲しい思いもある。