心の旅

sfbb2008-07-20

母と国立西洋美術館で開催されているコロー展を見に上野へ。人が仰山いた。そう云えば夏休みだったということを、絵画に群がる行列で思い知った次第。人の頭の上から下から隙間から、ようやっと見れたような見れないようなそんな心持ちであった。
私は美術には明るくないのだが、コローの絵は、殊晩年に掛けての作品は、かなり陰翳が深く色彩も暗いように映った。そこはかとなくメランコリックな印象を残す。麗らかな春も、爽やかな朝も。同じ景色を前にしても彼はルノワールやモネといった画家たちがなかなか選ばない色で描く気がして、それを思うとぴりりと切ないような気持ち*1になった。心象風景だとすれば尚のことである。
彼の目に映る風景はどんな色だったのだろうか。

*1:決してルノワールやモネが嫌いと云うことではないのだけれど。寧ろ彼らの柔らかな色彩・筆致は心地が良い。